盆栽>懸崖・半懸崖の魅力について

急勾配の崖地や、孤島の岩上など厳しい環境になりながら、なお
生き続ける樹木の強靭な生命力を表現したものが懸崖や半懸崖
とよばれている樹形です。一般の山野ではほとんど見ることのない
樹姿ですが、強風や波浪など自然の厳しさを連想させるだけに
その魅力を感じさせます。

懸崖も半懸崖も、立ち上がりから主幹が落下しますが、その起点が
鋭角であるほど自然味が増します。針金で矯正したときにゆるやか
に湾曲させてしまうと、見るから人工的な感じがします。苗木を求
めるときは、まずこの点に注意することが必要です。

主幹が強く下垂するほど木の重心が移り、不安定な樹形になります
が、それを救っているのが立ち幹の存在です。それも低く、枝葉が
多いほど懸崖、あるいは半懸崖として安定感が生まれます。

樹形を美しく見せる役枝の配置
�@主幹は前後に振って模様をつけ、単調になるのを防ぐ
�A役枝は立ち上がりに近いほど鋭角にし、樹芯部の枝は鈍角にする
�B樹芯はわずかに手前に向けるとともに上方へ斜上させる